2018年3月、台湾のオルタナティブスクール・デモクラティックスクールを訪ねる旅、報告の続きです。
前半の3泊4日は、ホリスティックスクール(全人実験中学)で過ごしました。
訪問者だからといって特別何もなく、とくに設定されたプログラムもなくて、自由に過ごして良いということだったので、ふだんの学校の雰囲気を感じることはできたように思います。
そのときの印象です。
自由な授業スタイル
8時半から授業が始まりますが、授業への参加は学生たちの自由選択。なので、授業が行われている間も、教室に入らずに、好きな場所で思い思いに過ごしている学生たちもいます。
また、朝ごはんを食べながら授業を受けている人がいたり、教室の中に入らずに窓の外から授業を受けている人がいたり・・・結構自由なスタイルです。
あとで聞いた話によると、6人の学生が集まれば、受けたい授業が成立するということでした。
また、私たち訪問者も、そのクラスの先生・生徒の許可があれば授業の見学もOKだったので、自由に過ごさせてもらいました。
選択肢はあるけれど、どう過ごすかは自由。そして、誰からも何も強制されることがない。そういう雰囲気を感じることができました。
英語のクラス〜海外経験のある生徒が多い
英語のクラスにお邪魔しました。学生は13~14歳。
生徒たちはふだん英語を話す機会がないので、英語でどんどん質問してください、と先生に言われたので、お互いに英語で質問タイムになりました。
(私たちのメンバーに、英語圏出身の人がいたので、おかげで横から色んな話を聞くことができました)
でも、先生は話す機会がないと言ってたけど、みんな英語でスムーズに話ができるので、びっくりしました。
しかも、すでに日本に行ったことのある人・海外旅行の経験のある人が多いことにも、驚きました。
それだけ裕福な家庭の子どもたちが来ている、そして、海外への関心が高い、ということもあると思いました。
広い敷地
とにかく、敷地が広いと思いました。どのくらいの広さなんでしょう?
山の中にあるので、平地でなく、山があり坂ありの、アップダウンの地形。
そして、広々しているので、1人で過ごしたり、好きな場所で好きなことをして過ごすスペースが、十分確保できる感じがしました。
1人で好きな場所で過ごしている学生も、ちらほら見かけました。こういうスペースって、大事だろうな、と思いました。
昔の学生が作ったというウッドデッキ、いい感じです。
やりたいことは掲示板で提案
掲示版があって、そこに予定が張り出されています。
私たちも、やりたいことがあれば呼びかけていですよ、と言われました。
何も提案しなければ、このまま特に何もないままだったと思います(笑)
せっかくなので、みんなで話し合って、いくつかやりたい企画を提案しました。
そしたら、黒板でお知らせしてくださいました。
もちろん、参加したい人が自由参加です。
日本のメンバーからの企画〜お茶会、楽器でセッション、デモクラティック教育の話
私たちが提案した企画の1つが、お茶会。日本のお茶とお菓子を持ち寄りました。
授業が入っていなかったり、時間が空いている学生たちが、集まってくれました。
合わせて、楽器を持ち寄ってきてもらって、一緒にセッションしましょう!と呼びかけました。
そしたら、続々と、ジャンベやカホン、太鼓、ギター・・・などが登場。みんな、いろいろ持ってるみたいですね!コップも机も、何でも楽器になって、即興のセッションが始まりました。
こうなると、言葉の壁は、もう関係ないですね。
ティーンエイジャーどうしは、SNSの交換をし合ったり、好きな歌やアニメの話で盛り上がったりしていました。少し距離が近づいたかな。
同じ時間に、別の教室では、デモクラティックスクールを運営するメンバーの話題提供で、希望する学生や先生と、デモクラティック教育についての勉強会が行われました。
全校ミーティング
学校での様々なことを決めていく最高議決機関が、全校ミーティング。
ちょうど、私たちの滞在中に、ミーティングのための準備委員会と、全校ミーティングがあったので、見学することができました。
といっても、リアルタイムで見学しているときは、言葉がわからないので、雰囲気を見て想像しているだけ。何を話していたかは、あとで教えていただきました。
議題の1つに、現在は7時~23時となっているwifiの使用を、24時間にして欲しい、という提案が学生からあったので、それに対する議論がありました。
結局、この時には決まらず、次回への持ち越しになりました。
学生の中にも、24時間にすることに賛成の人、反対の人、どちらもいるそうで、それぞれ理由があるそうです。賛成が多いのかと思いましたが、そういうわけでもないようでした。
答えが1つではない、簡単ではない問題を、どう解決していくか・・・という過程で、みんなが問題を知り、考えることを経験します。この過程そのものが、とても大切な気がしました。
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