2018年3月、台湾のオルタナティブスクール・デモクラティックスクールを訪ねる旅、報告の続きです。
2つ目に訪問した学校は、Seedling School(種籽親子実験小学)でした。
首都・台北から、地下鉄やバスを乗り継いで約1時間半、山の中の集落にあります。
廃校になった学校を利用した民間の小学校で、こちらも、デモクラティックな教育の考え方に基づいて運営されています。
学校に滞在したのは、前日の夜の食事会~次の日の丸1日だけと、短い時間でしたが、子どもたちにも先生にも保護者にも、活気を感じた学校でした。
この2日間で感じた学校の様子を、少し書いてみます。
Seedling School(種籽親子実験小学)とは
1994年設立。20年以上の歴史のある学校で、現在は子どもが100人近く、先生が11人。
クラスは縦割り。そして、自分が所属するクラスというのは、ベースになる場所のことで、行きたい授業を選択して、授業のときにはその授業が行われる部屋に各自で移動する、というシステムになっているそうです。
また、これまでは小学校としてやってきたけれど、今年から、18歳までの年齢を受け入れできるようになったそうです。どうなるかは、これからだそうです。
保護者の関わり~スクールバスや給食のこと
小学校なので、寮ではなく、子どもたちは毎日スクールバスで通っています。多くは台北から。片道1時間半くらいかけて、山道を往復しています。
スクールバスは、保護者でバス会社を雇うという形をとっているそうです。大きなバスが2台もありました。
そして、お昼の給食は、保護者が交代で作っているそうです。
給食もいただきましたが、野菜たっぷり、バランスもとれていて、おいしい!と思いました。
※こちらの写真は、夜の交流会で保護者の皆さんが作ってくださったお料理です。
授業にお邪魔しました
英語の授業にお邪魔したり、文化の授業で日本の遊びの紹介をしたりしました。
英語は、ゲームを取り入れた形の授業。
日本の遊びでは、「だるまさんがころんだ」が大好評でした。子どもたちのノリがよくて、言葉の壁は全く気になりませんでした。
先生方への質問
私たちメンバーから、先生方にいくつか質問をしました。その答えが興味深かったです。
先生の一番の仕事は、何ですか?
自分をケアすることです。自分をケアすることができる人は、人をケアすることができるから。
先生から子どもたちに願うことは?
この学校に来れるのは、中流階級以上の人たちです(※民間の学校なので、授業料は自己負担)。
そのことを自覚しながらも、そうでない他の人たちの存在を理解できるようなって欲しいです。
そして、世界をより良くするにはどうすれば良いかを、考える人になって欲しいです。
授業で伝えたいことは、何ですか?
数学は、Logic
国語は、communication
そして、クラスや授業そのものは、communication。
人気のある学校
Seedling School(種籽親子実験小学)は、日本の私立学校と同じくらいの授業料がかかるにも関わらず、入学希望者の倍率は定員の2倍以上、欠員待ちもあるくらい人気が高いそうです。
こういう学校に価値を見出す人たちが増えている、ということを表しているようです。
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